«前の日記(2020-01-28) 最新 次の日記(2020-01-30)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2020-01-29 【なし崩しの悪い例】

朝ドラ『スカーレット』は、物語の佳境に入らんとしておりますよ。主人公の女陶芸家、安定した電気釜ではなく、薪を使った穴窯という手法に挑戦し始めております。費用も掛かる上、失敗も多い。その穴窯に、狂気で挑む主人公が描かれ始めております。

ただねぇ、元々、この女主人公は手堅い生き方をする人で、ギャンブルに走る人ではなかった。そんな人が「狂気」に走る理由を、脚本上で与えて欲しかったなぁと思う次第でございます。ワタクシが演技の勉強中にいつも戒められていた、「なし崩しの演技・なし崩しのストーリー」に陥っているのでございます。

ふだん手堅い人だからこそ、何かのきっかけで「タガが外れる」ということもある。その落差が大きいほど、説得力も強くなるのでございます。今回の流れでも、穴窯は、全部失敗続きの演出をしております。これね、一番最初の焼きで、ほんの微かな成功の片鱗を見せておけば、主人公のタガが外れるきっかけになったのですけどねぇ。

最近の朝ドラは、主人公の幼少期の話を必ず盛り込んでまいります。事務所のゴリ押しキャスティングの結果だったり、子役のカメラテスト的な意味合いも有るのでしょう。でもそれで話数が圧縮され、中盤から終盤にかけて描き不十分の説得力のないストーリーになってしまいやすいのも事実。

今まで月~土の週6話で放送されていた朝ドラは、次回作より週5話の構成となるのでございます。156話で描いていたお話を、130話でまとめることになる。もう、幼少期を描いている余裕なんて無いと思いますよ。子役事務所への忖度など振り切って、さっさと青年期から話を進めればよろしいと思うのですけどねぇ。

あと、収録を進めながら脚本家が本を同時進行で書くってのも、問題ありあり。これは、最終回まで脚本が出来上がってから撮影に入る方が、絶対にいい。役者は、かなり先読みしての演技プランが立てられるからでございます。逆に言いますと、長期の演技プランも立てられず、行き当たりばったりの演技や演出が、ここ最近は目立ちますよねぇ。

モデルとなった女陶芸家「神山清子(こうやまきよこ)さんの自叙伝を読むと、事実は小説よりも奇なりを地で行く、波瀾万丈の人生を歩まれております。その神山さんがまだ存命でいらっしゃるので、ご本人に配慮しての脚本の流れもあるでしょう。まぁ、本当にドラマチックな人生を送られている人がモデルでは、脚本家もやり難いでしょうねぇ。では、では。


«前の日記(2020-01-28) 最新 次の日記(2020-01-30)» 編集