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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2020-01-16 【ピーターパンがお客様】

アカデミー賞に、韓国の「パラサイト」という映画がノミネートされております。この映画、カンヌ国際映画祭でも最高賞のパルムドールを受賞してまして、国際的に非常に評価の高い映画でございます。

また、年末のカウントダウンで有名なタイムズスクエアのイベントでは、韓国のアイドルグループ「BTS(防弾少年団)」が出演しております。こちらは、今や世界中で公演を重ねる国際スター、アメリカでも人気が有るそうでございます。

韓国映画、近年、人気が出てきましたよねぇ。一方邦画はと申しますと、一部話題になる作品はチラホラございますが、全体的に見ると苦戦はしている。韓国映画の人気が高まってますので、なおさら、邦画の苦戦が目についてしまったりいたします。

以前、日本の「AKB48」と韓国の「KARA(カラ)」が比較された事がございました。韓国のファンはことさら「プロフェッショナルなKARAに比べ、AKB48は素人っぽい」と非難してましたが、日本のファンはもっぱら「種類の違う物を比較するのはおかしい」と対抗しておりました。

さて、「種類が違う」と申しましたが、ここに、日本と韓国のエンターテインメントの運命を決めている大きな要因がございます。日本に進出してきた韓国のエンターテインメントですが、韓国は本来、日本のエンターテインメントがターゲットではございませんでした。韓国のターゲットは、アメリカでございます。

K-POPは、J-POPの二番煎じと言うよりは、むしろ当初より洋楽を目指しておりました。韓国映画は元から、ハリウッドへの憧憬で進化してきたようなもの。韓国の音楽や映画がアメリカを意識して成長してきた事で、日本のエンターテインメントとは全く素性の違う物へと熟成されてきたのでございます。

K-POPのアイドルは、男女とも、大人の色気をあえて出そうとしている。一方、日本のアイドルはと申しますと、AKBにしろジャニーズにしろ、「大人になってはいけないルールでも有るのか?」と思わせるほどに、「大人」を封印しようとする。世界的に活躍している「Perfume」や「BABYMETAL」も例外じゃない。

日本で絶大な興行収入を得ている映画は、たいていアニメ。その中では、若い、あるいは幼いキャラが、大人顔負けの活躍をしたりする。と言うか、そういうストーリーが日本では受けるのでございます。

日本と韓国、何が違うのか? 見えてきたでしょうか? 端的に申しますと、韓国のエンターテインメントは「大人っぽさ」を売りにした大人への商売。一方、日本のは「女子供」あるいは、「子供のままでいたい大人達」がターゲットなのでございます。

ですから、洋楽やハリウッドを目標にして来た韓国のエンターテインメントが世界的に進出しているのは当然と言えば当然。日本のエンターテインメントは、日本国内では受けていたとしても、世界的に見れば、かなりマニアックな傾向が強いということになってしまうのでございます。

日本は、携帯電話だけでなく、エンターテインメントでもガラパゴス化が進んでいるということでしょうかねぇ? そうそう、日本の代表的なキャラ「キティちゃん」の総本山「サンリオビューロランド」は、長らく赤字が続いていたのですが、ターゲットを子供ではなく大人に変えたところ、5年でV字回復したそうでございます。う~ん、なかなかに興味深い話でございます。では、では。


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