«前の日記(2019-12-05) 最新 次の日記(2019-12-07)» 編集

薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

2008|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2015|01|03|12|
2016|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2019|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2020|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2021|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|

2019-12-06 【こういうのも断捨離?】

大学共通テスト、国語・数学の「記述式」問題をやめちゃいましたね。なんでも、採点の公平性を懸念したとか。先日の、NHKのネット同時配信の見送りの件でも感じたのですが、今の日本、「とりあえずやってみる」という感覚は無くなりました。

とりあえず始めてみて、運用しながら問題点をこそぎ落としていくという方法論もあるはずなのですけどねぇ。それが出来ないのは、最初から「完成型」を求めてしまうからでしょう。一点でも不安材料が有ると、そこで何もかもがストップしてしまう。そんな停滞案件が、日本中に散在しております。

その原因と思えるのが、「失敗した者は追い込んでいい」という風潮でしょうねぇ。それを恐れて、「失敗するくらいなら、最初から手を付けない方がいい」という消極策に走る。あ~あ、日本中が事なかれ主義に感染しているようでございます。

人口も減ってきていて、将来、極端な高齢化社会に入るのは必至。これから、大きく日本は変わらなければならないというのに、石橋を叩いて結局渡らないという事案ばかりが増えていく。ここらで、日本人は、歴史的に長年蓄積してきた「潔癖」という国民性を、捨てるべきだと思うのでございます。

もうひとつ、捨てたい物がございます。「もったいない」でございます。アメリカ人は、自宅が無人でも、暖房を止めないとのこと。食品、消耗品なども、常に多めに取って余ったら捨てる。その「捨てられる」という感覚が、アメリカ人の「リッチ」なのでございます。

ここに、アメリカ経済の根強さを感じますねぇ。消費することが美徳なのですから、そりゃぁ経済が回っていくはずでございます。一方日本では、高度成長期・バブルといった「大消費時代」を知らない世代が増えていき、「消費」という感覚そのものを知らない人が増えてきております。

「潔癖」「もったいない」、どちらも、日本人の国民性を如実に表している性質ですが、これが今の日本の首を絞めていると思うと、複雑な心境でございます。1個でも不良品が見つかると、何万個も回収する。食品ロスの問題が連日騒がれる。そんな今の日本で、この国民性の両刃の刃に食い込める人は、これから出てくるのでしょうか?

最後に、『徒然草』の有名な一節をご紹介いたしましょう。

花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは

桜の花は、咲き誇っている満開の時だけが美しいのですか? 月は、欠けてない満月だけが美しいのですか? 完璧ではない物に対しても美的価値を認める兼好法師の言葉でございます。

日本人は、不完全な物への称賛を700年前から見つけていたのでございます。どうでしょう? 「潔癖」「もったいない」、捨ててみませんか? では、では。


«前の日記(2019-12-05) 最新 次の日記(2019-12-07)» 編集