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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2019-11-11 【もはや時代をリードする国ではなくなっています】

「あ~あ、また日本が周回遅れにされる」、そう感じた報道がございました。NHKのネット地上波同時配信にストップがかかったというニュースでございます。

なんでも、新しい大臣がNHKの肥大化を危惧してストップをかけたとか。そりゃぁ今のNHKにはいろいろ問題がございますが、木を見て森を見ず、そんなNHKの肥大化よりも、もっと心配しなければいけない日本の放送業界の危機があるのでございます。

Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)、Netflix(ネットフリックス)などの海外企業が、その資本にものを言わせて大々的に売り込みをしております。国内の民放各社も対抗すべく、日テレがHuluを買収したり、Paravi(パラビ)、FOD(フジテレビオンデマンド)といった独自のネット配信を展開しております。

テレビで映せる物が地上波や衛星放送だけだったころは、放送局は完全に視聴者を「取り込む」ことが出来たのでございます。地上波や衛星放送の電波は、限定的な地域にしか届かなかったからでございます。

ところが今、番組も映画もネットで見られる様になりますと、既存の「取り込み根性」は全く無意味になる。放送地域が限定的ではなくなったからでございます。それで、民放各社は早くから、海外の侵略に「危機」を感じていたのでございます。

ワタクシ思うに、あのスカイツリーを建設するどうのこうのという話をしているときに、すでに地上波からネット配信への舵取りをすべきだった気がいたします。いくら高さが有るとは言え、高層ビルが建ち並ぶ東京で電波で配信とか、やはり時代遅れの感はございました。

スカイツリーをやめ、全戸に光ファイバーを敷設するという選択肢も有ったはず。でもそれは、ゼネコンが許さなかったでしょうねぇ。あの当時、スカイツリーの計画を反故にするなんてこと、誰が言い出せたでしょう。なし崩しのスカイツリー建設への選択が、ネット配信に関しては大きな遅疑を作ってしまったように思えます。

かつてSONYは、「ウォークマン」「CBSソニー」というハードとソフトの両方を有していたにもかかわらず、アップルのiPodに先を越されることになる。SONYがCDという円盤(の利権)、そしてコピーガードに拘ったからでございます。「気軽に安く購入出来れば、わざわざコピーなんかしないはず」と考えたアップルが、小回り良く、世界のSONYを出し抜いて行ったのでございます。

日本は「漫画」という世界に輸出できるコンテンツを有しております。しかし、それが電子ブックとなると、出版業界(の利権)に反発をくらい、遅々として進まぬ時期が長く続きました。その間に、Kindle(キンドル)やAmazon(アマゾン)といった外国勢が、一気になだれ込んできた。電子ブックの分野でも、不毛な遅疑を招いてしまっているのでございます。

もっと言いましょうか! 自動車の自動運転に関しては、国交省が一般道での実験をいつまで経っても認可しないので、やはり外国勢に大きく遅れを取ることになった。キャッシュレス決済は、みみっちいお客の取り込み合戦に終始し、方式が乱立することに(交通系カードでさえ、相互利用に何年かかったことか)。

日本の家電業界は惨憺(さんたん)たるもの、国産の家電もスマートフォンも、売れているのは国内だけ。世界に通用する製品はもはや日本は作っておりません。今や日本は、「ものづくり」の出来ない国になっております。電子立国とか家電王国なんてのは、強者どもの夢の跡でございます。

二段階認証を知らなかったセブンイレブンの社長の件でも分かりますでしょ。今の日本の多くの企業や組織は、「決定権を持つ人(多くが高齢)が現状を、特にネット時代の現状を知らなさすぎる」のでございます。それで、何を進めるにも、判断が送れる。英断が出来ない。そして、海外勢力に先を越される。日本は「小回りの出来ない」国に変わってしまっております。

長くなっちゃったので、最後に、せん越ながらワタクシの希望を。急激にネット時代に突入して、年配者の過去の経験とかは全く役に立たなくなっております。日本の企業や組織は、ネット社会に適合した若い人に、どんどん決定権を与えていくべきでございます。そう考えますと、日本の「年功序列」制度が、今の日本の足を引っ張ってるのかなぁ。

利権とか忖度とか、そんなことをしている内に海外勢に食い物にされてしまう、そんな心配をしております。長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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