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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2019-09-13 【モハベ砂漠って習ったけど、今はモハーヴェと言うらしい】

ここ数日、わが愛しの Mac mini と大格闘をしておりました。調子が悪いとかではなく、オペレーティングシステム、つまりOS をアップデートしたのでございます。

今まで使っていたのが「El Capitan(エルキャピタン)」という名前の OS。そもそも、OS のバージョンに全部名前が付いているというのも、Macintosh の伝統。El Capitan はつい3年ほど前まで使われていたバージョンでございます。しかしですねぇ、たった3年前のバージョンで、不具合出まくり。それをギリギリまで我慢して使っておりました。

なぜ我慢していたかと申しますと、原因は「月刊 CityHeaven」。あの雑誌の広告原稿を作製するのに古いソフトが必要で、そのソフトが OS「El Capitan」でしか走らなかったという次第。CityHeaven 休刊で広告作製の必要も無くなり、OS の刷新に踏み切ったというわけでございます。

「El Capitan」の後には「Sierra(シエラ)」「High Sierra(ハイシエラ)」、そして現行最新バージョンの「Mojave(モハベ)」と続くわけでございます。間をすっ飛ばしていきなり最新バージョンにアップグレードでもよろしいのですが、ここは慎重策を取って一段階ごとにアップ。不測の事態が起きるのが、アップグレードの常。慎重に行くのでございます。

まずは、バックアップ。これ、重要。ダメだと思えば、勇気の撤退。「バックアップ取らずにアップグレード、ワイルドだろ~」なんてことはいたしませんよ。コンピューターの世界に背水の陣は禁物。行くことも戻ることも出来なくなると、貴重なデータを全て失うことにもなりかねませんから。

で、アップグレード。Mac が何度も再起動を繰り返しながら、何時間もかかる。OS がアップグレードすると、その他諸々のアプリが「こっちもアップグレードしないと、うまく動作しないよ」と声をあげ始めるので、それらも新しいバージョンにアップグレード。そして、一日ほど使い込んで動作確認。3日がかりで、最新バージョンの「Mojave」に到着でございます。

まぁ、いろいろ快適になったし、不具合も消え、いろいろ便利な機能も新しく使えるようになったのでございます。思えば、お店を立ち上げた後の19年間、広告原稿作製の関係で、使っている Macintosh はいつも一つか二つ前の OS を使っておりました。最新のバージョンを堂々と使うのは、19年ぶりでございますね。

たかだか3年前の OS で不具合が出まくるのが、Mac OS 。しかし、Windows の世界では、今だに Windows 95 が現役で使われていたりするのでございます。この違いには、OS の「思想」の違いが関係していたりいたします。

Mac の世界は、「レガシー(遺産)を切り捨てて、新しい物を先取りしていく文化」でございます。端子の形から CPU という心臓部まで、ある日突然、あっさり変えてしまったりする。ユーザーは買い換えとかたまったものではございませんが、その新し物好き文化が、新しい規格の普及を進めたりもいたします。

逆に、Windows は「レガシーを蓄積していく文化」でございます。最新のバージョンでも、古いソフトが問題なく動作するような仕組みを盛り込んでおります。ハードとソフトが別会社ですから、どんな機種でも動作するように、ソフト側に至れり尽くせりの配慮がなされてる。それ故、全世界に普及したとも言えますが、古い機種やバージョンが残り続けるということにもなっております。

切り捨てる文化と、蓄積していく文化、この好対照の文化が PC 界の双璧となったのは、幸運でございましたね。どんなものでも、相反するものがお互いに均衡を取り合う環境というのは、健全でございます。ビル・ゲイツが Macintosh も愛用したというのは、うなずける話でございます。ワタクシの、Mac OS アップグレード顛末でございました。


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