店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
例の宙に浮いた慰安婦像、スペインの実業家が購入したそうでございます。なんでも、世界中の訳あり展示物を集めている人で、自分の美術館に並べる予定とのこと。日本でも、「公的な催しではなく個人が自費で展示すべき」という声もございましたから、政治がらみの作品は、そういった形でしか日の目を見ることはないかも知れませんよね。
思い出話になりますが、東日本大震災の時、たまたま現地にいたシー・シェパードの連中が、地元の方々に助けられて命からがら逃げられたという出来事がございました。感情を度外視し人道を優先した東北の方々を誇らしく思うと同時に、もし彼らを見殺しにしていたら、それこそ「報復されたドウタラコウタラ」でひと悶着起きていたところでございます。
尖閣諸島で揉めていた頃、富士山で尖閣領有権をアピールしていた中国人親子が、なかば遭難状態になり山小屋の人達に助けられるという事件がございました。感情的・衝動的に来日したその親子だったのでしょうが、日本に来て、本当の「表現の自由」というのはむしろ粛々としたものだと、改めて知ったことでしょう。
トリエンナーレの外国人の出品者が、軒並み出品を取り下げております。「表現の不自由展」では、日本はまた、間違ったメッセージを海外に送ってしまいましたよね。海外の人達にとっては、慰安婦像の意味などは全く関係ない。ただ、「圧力によって中止された」というメッセージだけが伝わる。国境なき記者団の「報道自由度ランキング」で、日本が67位(先進国では最下位)なのも納得でございます(ちなみに、独13位、仏32位、英33位、韓41位、台湾42位、伊43位、米48位)。
逆に考えてみましょうよ。韓国では、微塵でも親日発言をしますと、それこそフルボッコ状態でその意見が抑圧されてしまう。日本の主張を正当だと発言する韓国の学者も何人かいるわけですが、そういう人達は身の危険を感じるほどの圧力を受けているのでございます。海外から見れば、この韓国のナショナリズムも「表現の不自由展」の中止も、同じような低レベルのナショナリズムの争いでしかないのでございます。
芸能人の不祥事が報道されると、瞬時にその芸能人がテレビから消え去ります。猛烈なクレームが、番組スポンサーに届けられるからでございます。そう、日本の衆愚は、「スポンサーを攻撃すれば、すぐに願いが叶う」と学習してしまったからでございます。しかも、騒ぎの一端だけを見て、その尻馬に乗って騒ぐだけの集団。それを衆愚と言わずして何と言うべきか!
「日本スゴイ」を連呼するテレビ番組は、日々、画面に溢れかえっております。しかし、自分たちに不愉快な物は、よってたかって潰してしまう。日本人の多くは、「日本は、韓国とは違う」と思っているのでしょうが、力で潰してしまう体質は、韓国と何ら変わらないと思いますよ。少なくとも海外から見れば、日本と韓国、「同じ穴の狢(むじな)」と見えていることでしょう。
ワタクシは、今、増えつつあるこの「尻馬野郎」を、大変危惧しております。「表現の不自由展」に関しては慰安婦像以外にもいろいろ問題有りなので中止はやむを得ないとしても、その「中止の仕方」に関しては、もっともっと議論されるべきでございます。そして、尻馬に乗って騒ぐだけの連中の罪と海外への影響に関しても、もっともっと語り尽くされるべきだと思っております。