店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
松屋の新製品、「麻婆豆腐定食」が登場いたしました。普段なら、発売してすぐに実食! となるワタクシですが、今回は、あまり食指が動かなかったのでございます。「朝から激辛かぁ」という思いも有りましたし、ワタクシ、松屋の「辛い」というのは、チョイトまゆつばなのでございます。
ということで、発売後、数日して、実食! ふむふむ、やはり、辛くな~い。松屋のメニューには「とんがらし×3」の表示、「最高に辛い」ということですが、むしろ「甘辛い」といった感じ。通常セットですと玉子が付いてきますが、もはや玉子を入れて辛さをマイルドにする程でもない。玉子はご飯にかけて、玉子かけご飯にして食べたのでございます。
いや、決して、この麻婆豆腐定食、嫌いなわけではございませんよ。ただ、ただ、ひとつ、文句を言いたい。そもそも、麻婆豆腐とは何ぞ? 麻婆豆腐の主役は何か? そう、湯豆腐の主役が豆腐であるように、麻婆豆腐の主役は紛れもなく「豆腐」。麻婆豆腐で自らの空腹を満たそうとする者は、まず、「豆腐に魂を奪われている」のでございます。
結論から申しますとね、豆腐が少ないかなぁ。そして、小さい。けっして豆腐がメインではないのでございます。これが残念。これは思うに、松屋の食の美学が「ご飯とみそ汁」を主軸にしているからではないだろうか。つまり、おかずである麻婆豆腐が、主役のご飯の座を脅かしてはいけないという概念、それ故、おかずはあくまでも「ご飯のお供」であることを強要されるのでございましょう。
そう、豆腐が主役の麻婆豆腐は、それだけでお腹を一杯にさせるだけの圧倒的な質量的存在感が有るのでございます。仮に、もしご飯を添えるとしても、ほんの少し、箸休め程度で十分。つまり、豆腐メインの麻婆豆腐というものは、「主食」にもなれる存在なのでございます。
では、松屋の麻婆豆腐を見てみましょう。豆腐の量は少なめで小さい、その代わり、茄子や粗挽き豚肉、ニラといったものが多め。そして、辛さはちょっと抑えてある。フムフム、いかにも、ご飯の上にかけたくなる様なフォルムでございます。ちょっくら、ご飯にかけて一緒にほおばってみましょうか。
まぁ、何と言うことでしょう。程々に辛さを抑えていたのは、白米の甘さとの微妙なバランスを取るためだったのか! そして、口の中で弾ける豚肉や茄子、ニラが、食感と味わいにアクセントと変化をもたらす。小さめに切られた豆腐は、決して他の食材を邪魔することなく小さく砕けていく。