店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
さて、何の気なしにたまたま見た番組が、自分にとってとんでもない当たり番組だったりすることがございます。昨日、たまたま見た番組も、そんな番組でございました。TBS系『人生最高レストラン』という番組、ゲストは「さだまさし」さんでした。
その番組の中で、さだまさしさんが小学生の頃の祖母のおにぎりにまつわる体験談をされておりました。普段から祖母の塩おにぎりが大好きだったさだまさしさんなのですが、自分の誕生日会でその塩おにぎりをプレゼントとして祖母が出したのに腹を立て、全く手をつけなかったそうでございます。
「あんなにねえ...子供の頃に泣いたことがないくらい泣きましたねえ..傷つけた..と思った」
「あのおにぎりはねえ、一生後悔するおにぎりでしょうねえ」
こういった原体験、ワタクシにもいくつもございます。さだまさしさんが「一生後悔する...」と言った様に、ワタクシの原体験も、今だに、ふと、何かの拍子に思い出し、涙がジワッと溢れ出てくる事もございます。年取ると涙もろくなるってのは、こういった古傷がどんどん溜まっていくからでしょうねぇ。
子供ってね、元来、残酷な物なんですよ。でも、その自分の残酷さに、気付くタイミングが必ず現れる。さだまさしさんの様にすぐ気付くかも知れないし、何年、何十年も経ってから気付くことも有るかも知れない。自己の残酷さの感知は、同時に他人の痛みの感知でもございます。そうやって人は、優しくなっていくのでございます。