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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2019-05-12 【優しさ、それは自分を知ること】

大河ドラマ『いだてん』が、不調だそうでございます。ワタクシは面白いと思うのですけどねぇ。やはり、ガチの歴史物の方が一般受けするのでしょうね。

さて、何の気なしにたまたま見た番組が、自分にとってとんでもない当たり番組だったりすることがございます。昨日、たまたま見た番組も、そんな番組でございました。TBS系『人生最高レストラン』という番組、ゲストは「さだまさし」さんでした。

その番組の中で、さだまさしさんが小学生の頃の祖母のおにぎりにまつわる体験談をされておりました。普段から祖母の塩おにぎりが大好きだったさだまさしさんなのですが、自分の誕生日会でその塩おにぎりをプレゼントとして祖母が出したのに腹を立て、全く手をつけなかったそうでございます。

後から気になり、こっそり台所を覗くと、祖母の後ろ姿が見える。先ほどの塩おにぎりをお茶碗に入れ、お茶漬けにして食べていたそうでございます。番組内でのさだまさしさんの言葉が、これ。

「あんなにねえ...子供の頃に泣いたことがないくらい泣きましたねえ..傷つけた..と思った」
「あのおにぎりはねえ、一生後悔するおにぎりでしょうねえ」

こういった原体験、ワタクシにもいくつもございます。さだまさしさんが「一生後悔する...」と言った様に、ワタクシの原体験も、今だに、ふと、何かの拍子に思い出し、涙がジワッと溢れ出てくる事もございます。年取ると涙もろくなるってのは、こういった古傷がどんどん溜まっていくからでしょうねぇ。

子供ってね、元来、残酷な物なんですよ。でも、その自分の残酷さに、気付くタイミングが必ず現れる。さだまさしさんの様にすぐ気付くかも知れないし、何年、何十年も経ってから気付くことも有るかも知れない。自己の残酷さの感知は、同時に他人の痛みの感知でもございます。そうやって人は、優しくなっていくのでございます。

小中学校で「いじめ」の問題が後を絶たないですよね。大人は子供に向かって「虐めるな」と言い、同時に「優しくなれ」と説くものでございます。でも、どうやれば「優しくなれるか」を教えられる大人は少ない。

「優しさ」とは、「自己の残酷さへの感知」であるのかも知れません。いじめ問題の解決も、個々が自らの残酷さを正視し、そして受け入れる事から始まるのかも。自分の恥部を自分で正視するというのは辛いものですよね。でも、教育の現場がそれをやらないと、いじめ問題の根本的な解決はほど遠いような気がいたします。

30分間のたわいもないテレビ番組を見て、こんな事を思っておりました。では、では。


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