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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2019-03-19 【自分では治せない病気】

芸能人のお薬の事件で、世の中騒いでおります。まぁね、よく言われるのが「どうしてやめられなかったのか」ってセリフ。そこで、「メンタルが弱い」とか「精神力」とか言う人もおりますが、こと「依存症」ってのは、そういった精神論で語ってはいけないのですよね。

依存症を端的に申しますと、その「メンタル」とか「精神力」ってところを直接攻撃して弱くする病気なのでございます。物事に抗うその大本営を壊されてしまうわけですから、戦いたくても戦えない、それが当人の本音なのでございます。

城の内部が無力ならば、その城を攻めている敵を、さらに外側から攻める、これしかないのでございます。つまり、依存症というのは、第三者や施設の介入なしでは、まず抜け出せないのでございます。依存の対象が違法薬物だったりすると、バレまいとしてますます孤独に落ちておく。泥沼化するのでございます。

日本の麻薬捜査はそれを取り締まることばかりに主力が置かれ、依存者の矯正に関してはホッタラカシでございます。麻薬の向こう側にいる「組織」しか眼中にないからでございます。しかし、日本もここらで、「犯罪」ではなく「病気」と捉え、治療することにウェイトを移して行くべきではないでしょうか。

まず、初犯でつかまったときに、執行猶予をつけてしまうこと、これを絶対にやめるべきでございます。初犯というのは、治療をする絶好のチャンスなのでございます。なのに、執行猶予を付けて簡単に世の中に出してしまう。先ほど申したように、「自分では治せない病気」なのですよ。正しい知識の無いまま治療もせず放り出され、そしてますます悪化、再犯。非常に多いケースでございます。

世の中に依存症の矯正施設は多々ございますが、すべて「民間」ですので、その施設への入所は「努力義務」でしかございません。ここは、ひとつ、公立の矯正施設を作りましょうよ。そして、初犯でつかまった人は、ほぼ強制的に入所でございます。ただし、入所すれば「罪」には問われないというシステムにしておくのでございます。

この、「罪」にしてしまうところにも、問題がございます。電話で119番すると、救急隊員が飛んで来てくれますよね。でも、もし、駆けつけた現場で違法薬物が関係していると救急隊員が判断した場合、隊員は警察に通報することになっております。つまり、自動的に「罪」になってしまう。これがあるから、(依存症という)病人なのに病院に相談できないというジレンマが起きているのでございます。

日本の麻薬を捜査する方々は、ただ捕まえるだけ。「矯正や更生は、自分でやって下さいな」というスタンス。でも、これでは、依存者は減るわけない。自分で治せないというのが、この病気の特徴なのですから。ここは、「取締から矯正」までを一環とした大きな対応・組織が必要でございます。と、考えますに、麻薬取締官も病院も、同じ厚生労働省の管轄。出来ると思いますけどねぇ。

さて、最後に、世の中には違法薬物に対して非常に厳しい物言いをされる方々も大勢いらっしゃいます。しかし、もし世の中から違法薬物を排除したいのなら、その使用が発覚した人を白い目で見ること、これを絶対にやめるべきなのでございます。

発覚した人を犯罪者として追い込むから、まだ発覚していない人がますます泥沼化する。これは先述の通り。泥沼化した人が世の中に増えるほどに、それを売る組織は需要が増えてウハウハという仕組み。だから、依存者に対し、薬物に手を出してしまったことは責めず、矯正して救い出し続けること、これが違法薬物に抗う方法なのでございます。

チョイト重たい話でごめんなさい。でもね、治療第一のはずなのに、楽曲から出演作品から、その人の存在をこの世から抹消する勢いでの自粛騒ぎ。ちょっとおかしいですねぇ。(日本の)事なかれ主義、ここに極まれり。あるいは、木を見て森を見ず? 厚生労働省、よろしく!


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