店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
「分身ロボット」なるものが有るそうでございます。鉄腕アトム以来、ロボットと言えば人工知能を持って自分で動くというのが一般的でございました。しかし、この分身ロボットは、ただ人間が遠隔操作するだけのロボットでございます。それじゃぁ、山本昌が持ってるラジコンカーと変わらないじゃないかとお思いでしょうが、これがチョイト違うみたいでございますよ。
この分身ロボット、上半身だけで顔と簡易的な羽だけのモデルと、下半身や腕が有って移動や軽作業が出来るモデルが有るようでございます。どちらもカメラとマイクが有りまして、操作者が画像や音を確認することが出来る。首を動かして周りを見回したりも出来ますし、羽を動かしての感情表現も可能でございます。
さて、これ、何の役に立つのか。一つの利用方法として、疑似体験がございます。何らかの理由でその場所に行けなかった人でも、他の人にこのロボットを持って行ってもらえば、一緒に同行しているような気分になれるのでございます。名古屋城の天守閣なんかも、是非、このロボットを使って頂きたいものでございますなぁ。
もうひとつ、在宅勤務の人が、「気配」だけ職場に残すという利用方法もございます。テレビ電話と何が違うのかって話ですけど、テレビ電話だと、通話中にその画面に拘束されてしまいますよね。一方、この分身ロボットですと、お互いに「呼ばれたら返事をすればいい」。声の届く範囲に相手がいるという「気配」が重要なのでございます。
さらに、下半身のあるモデル。これは実験的に、カフェで労働を行っている事例がございます。これも、生身の人間が動いた方が効率的だろってお話になっちゃいますが、ポイントは、体が不自由な人でもお仕事が出来ちゃうってこと。今後、下半身不随あるいは半身不随の人でも働けるという可能性がございます。
この手の分身ロボットで、今課題となっているのが、どうやって「思いのまま」に捜査するかってことだそうでございます。どう工夫しても、ラジコンのリモコンを操作するようなことになってしまう。もどかしいのでございます。首の後ろにソケットが付いていて、脳みそとコンピュータを直結出来るような時代がくると、まさに「思いのまま」なんですけど、まだまだアニメやSFの世界だけのお話でございます。
もうひとつね、分身ロボットではないけど、似たようなサービスがございます。「遠隔援護協会」なる団体が行っていて、視覚障害者の代わりに物や文字を見て、その障害者に音声でアドバイスを与えるというサービスでございます。
これ、昔なら、援護者が障害者の横に付き添ってやる必要がございました。しかし、今はネットで何でもつながる時代。障害者と援護者をネットで繋ぐことで、遠隔援護を可能にしたのでございます。これならば、要請があった時だけ応答すればいい。大勢の障害者を一人の援護者が受け持つなんてことも可能でございます。
仕組みを簡単に説明いたしましょう。まず、視覚障害者のメガネにウェアラブルカメラを装着し、専用の端末に接続。障害者側に何かしら確認したい事が発生したら、端末で援護者を呼び出す。援護者はウェアラブルカメラの画像を見て、音声で障害者にアドバイスを送る。そんなシステムでございます。
かつてロボットの開発ってのは、人工知能などを駆使して「自我」を持たせることに苦労してきたのでございます。しかしここに来て、自我のない「単なる遠隔操作」のロボットが、社会的に活躍をし始めております。ロボットの新しい形が、今、始まっているのかも知れませんね。では、では。
・分身ロボット「OriHime」
http://orihime.orylab.com
・分身ロボットカフェ「DAWN」オープン
https://robotstart.info/2018/11/26/dawn-open.html