店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
ワタクシ、そのコンビニに支払いに行ったのでございます。金額は「¥43,200」、広告料のひとつでございます。レジにいたのは、そのオカリナ。ワタクシが支払い用紙を差し出しますと、バーコードをピッとやり、スタンプをポンポンと押した後、何やら困っている。明らかに、アタフタしている。そして先輩の店員を呼びに行ったのでございます。
オカリナもその先輩も、ともに中国人。オカリナ、伝票の金額を指さして、先輩に何か中国語で聞いております。そして、引き出しからひとつのファイルを出しますと、そこから出してきたのは収入印紙。ワタクシ、何が起きているか納得したのでございます。
オカリナ、実に不器用。シートになっている収入印紙から1枚をちぎり分けるのに、これまたひと苦労の様子。折り目を付けたはいいが、その折り目にそってちぎるのをためらっていてなかなかに時間がかかっている。深夜で、ワタクシも別に急ぐわけでもない。興味津々で、オカリナの動向を眺め楽しむワタクシでございました。
収入印紙をちぎるのにあれだけの決意が必要な人も珍しい。何とか1枚をちぎり分けますと、オカリナ、またアタフタしている。ちぎった収入印紙を持ったまま先輩の所へ駆け寄ろうとすると、先輩は他のレジで接客中。聞くに聞けない。オカリナ、万事休すか!
ワタクシ、何となく、オカリナが何で困っているか察しが付いたのでございます。収入印紙を貼る「糊」を探していたのでしょう。ワタクシ、「持っていらっしゃい、やってあげるから」とオカリナに声をかける。オカリナ、まだアタフタして、目が泳ぎ始めてる(笑)。ワタクシ、もう一度声をかけると、やっとオカリナ、ワタクシの元へやって来たのでございます。
オカリナから収入印紙をもらうと、レジ台の上にある指先を湿らせるためのスポンジに、ワタクシ、その収入印紙を押しつけたのでございます。ベチョベチョになる収入印紙。オカリナ、「とんでもないことが起きている」といった驚きと恐怖の混ざった顔つき。濡れた収入印紙を支払い用紙に貼るワタクシ。その収入印紙を触って確認するオカリナ。そして、目と目を合わせるワタクシとオカリナ。初めての共同作業でございます(笑)。
日本人とか中国人に関係なく、切手とか収入印紙を濡らして張るっていうの、若い人は知らない人が多いかも知れませんね。日常生活で使わなくなりましたからねぇ。で、オカリナ、その支払い用紙をワタクシに差し出そうとするが、チョイト困ったことが...スタンプを先に押しているので、収入印紙にスタンプの割り印が入っていないのでございます。
ワタクシ、げんこつを収入印紙の上にかざしまして、スタンプを上から押すようにとジェスチャー。日本語で説明するより、この方が手っ取り早いと思ったからでございます。オカリナ、すぐに理解したようで、収入印紙の上からスタンプを押し直してくれたのでございます。
レジで支払いを済ませるだけなのに、こんなに楽しめる。だから、人生、どこに喜びが落ちているか分からない。さ~て、察しのいい人は、あることに気がついてますよね。そう、平成26年から、収入印紙の必要な金額が5万円に引き上げられているのでございます。
つまり、オカリナとワタクシの共同作業で張り終えた収入印紙、本当は、必要なかったのでございますよね。ワタクシ、最初から分かってましたが、日本語のたどたどしいオカリナにそれを説明するのも大変と思い、成り行きに任せちゃったのでございます。先輩が指摘するかなと思いましたが、先輩も知らなかったのでしょうね。