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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-06-04 【友あり遠方より来たる】

ニューハーフってのは、どうも幼少期の友人とは疎遠になってしまう事が多く、同窓会なども欠席しがちになり、身近な友人というものが限られてしまう傾向がございます。にも関わらず、ワタクシには、小学校・中学校からの同級生の友人がおりまして、ありがたく思っております。

その友人から、昨晩、久しぶりに電話が。「接待で使えるようなニューハーフのお店を紹介して」とのこと。取りあえず、知っているお店の場所と電話番号を伝え、あとから合流する事に。年賀状のやり取りはしておりますが、電話でやり取りしたのは1年以上前でしょうか。懐かしかったのでございます。

けっこうニューハーフのお店を飲み歩いているはずの友人、ワタクシにわざわざ電話で聞いてくるという事は、最近はあまり飲みに出てないのでしょうね。一方、ワタクシも夜の街とはかなりご無沙汰。聞かれても最近のお店に疎くなっております。まぁ、行った事はないのですけど人づてに好評判を聞いているお店を一店紹介したというわけでございます。

自分のお店の営業終了後に、そのお店へ駆けつけ合流。ニューハーフ慣れしたその友人、初めてのお店なのに何年も通っている常連のような馴染みの速さ、さすがニューハーフ遊びの達人なのでございます。まぁ、ワタクシと同級生ですから、同じ年。ワタクシがお酒に弱くなったように、その友人も少し、お酒のペースが落ちたようでございます。

その友人、数年前に起業して、今は社員を30人以上も抱える規模になったとのこと。起業する前にはお店を背負うワタクシをさんざん羨ましがっておりましたので、ワタクシ、チョイト意地悪にその友人に聞いてみたのでございます。

「社長になって、気分はどう?」、意地悪そうなワタクシの顔に向かって、その友人、にこやかに返して来たのがこの言葉、「まぁ、従業員の方が気楽かな」。「”社長は会社の奴隷”って言うからね」とワタクシ。賑やかな店内でボソボソッと交わした会話ですが、なんか、やっと同じ土俵の上で会話が出来る様になった気がして、チョイト嬉しかったのでございます。

その店を出た後、夜の風に吹かれましたら、なんだかトイレに行きたい気分。ということで、近くの馴染みの店へ飛び込む事に。トイレを借りただけで飲まずに帰るというのも、あまりに失礼。その店でハシゴ酒でございます。

そのお店も2年ぶりくらいの来店。「空きもしないボトルがいつまでも邪魔なのよね!」と友人をにこやかに叱るそのお店の女っぽいマスター。そんなやり取りが何十年も交わされてきているのでしょうね。そのお店で少し飲んだ後(というか、ワタクシは既に水ばかり飲んでましたが)、友人はタクシーで帰り、ワタクシは歩いて自宅へ。友人と久しぶりに飲み歩いた晩でございました。

同じ小学校へ通い、同じ中学へ通い、子供の頃の家はほぼ隣どうし。かたや、会社の社長さん。かたや、ニューハーフで風俗店の店主。こんな日が来るとは、子供の頃には想像しませんでしたねぇ。

人生をジグソーパズルに例えますとね、パズルの絵柄がかなり出来上がってきた時、ふと最初の頃にはめ込んだピースを見つけて、「あぁ、このピースは、全体の絵柄のこの部分だったのか」と気づいて懐かしくなるような、そんな気分でございます。では、では。


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