店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
大谷翔平選手が、メジャーリーグで大活躍でございます。ここ長らくプロ野球なんて興味を失っておりましたが、大谷選手がメジャーへ行ってからはすかさず野球中継を見るようになった、「にわか大谷ファン」の名古屋薫でございます。
久しぶりに野球中継を見ますと、何やら聞き慣れない用語がポンポン飛び出します。特に、ピッチャーの球種が、以前とはガラリと変わっております。スプリットというのは昔のフォークボールのこととか。カーブ、スライダーなんてのはそのままですが、分からなかったのが「フォーシーム」「ツーシーム」という球種。
調べますと、どちらも「直球」のことらしいのでございます。「シーム」ってのは縫い目。フォーシーム、つまり4つの縫い目とは、投げたボールが1回転する間に4つの縫い目が見え隠れするということらしい。同様に、ツーシームは1回転で2つの縫い目が見え隠れする。
さて、ちょっとイメージしにくかったので、実際のボールで確認いたしましょう。と、言いたいところですが、そんな調子よくボールが見つからない。何か丸いものに線を引いて確認しようとしましたが、そんな丸いものも調子よく見つからない。結局、こんなものに線を引いて、確認いたしました。
オッパイ! 丁度、身近に、オッパイが有りましたので、野球のボール独特のあの縫い目を書き込んでみたのでございます。なぜ「なごやん」が置いてあるかって? まぁ、置いといた方が、大きさが分かりやすいでしょ。エッ? このオッパイは何だって? ワタクシのオモチャ箱には、色々なものが入っているのでございます。
写真の「乳首」が横向きの状態ででボールが縦回転すると、4つの縫い目が見え隠れし、フォーシームになる。乳首を上向きに持って縦回転させると、確かに2つの縫い目しか横切らない。ツーシームの直球になるということらしい。こんなことで、ボールの挙動が変わるのですねぇ。というか、この2つの直球を見分けているアナウンサーや解説者が、スゴイと思うのでございます。
さて、ツーシーム、フォーシームを調べておりましたら、なんと「ワンシーム」なんてぇ球種があるとのこと。ここで、ワタクシ、「エッ?」なのでございます。ボールが1回転する間に縫い目がひとつしか横切らない? それは、それは、トポロジー(位相幾何学)的に、有り得ないのでございます。
野球のボールは2枚の瓢箪型の皮を縫い合わせております。縫い目は繋がった輪になっております。では、その2枚の皮を、それぞれ「A」「B」と呼びましょう。目の前を縫い目がひとつ通過する時、見えている皮は「AからB」あるいは「BからA」と変化するわけでございます。さぁ、付いて来て下さいよ。
目の前を縫い目が通過する度に、見えている皮は入れ替わります。そして、ボールがちょうど1回転した時、最初に見えていたのと同じ皮が見えているはず。同じ皮に戻るためには、目の前を横切る縫い目は「偶数」で無ければならないのでございます。
ですから、トポロジー的に、「ワンシーム」というのは、有り得ない! と、屁理屈を言ってはいけませんね。ワンシームのボールの握り方を見ますと、どうもボールを斜めに持っているようでございます。縦横に走る縫い目に角度がつきますので、そのどちらも空気抵抗の影響を受けにくくなるということみていでございます。
まぁ、名前の由来的には「ワンシーム」というのはおかしいのですが、「ツーシームよりもさらに空気抵抗が少なくなる」という意味合いでワンシームになったのかもしれませんよね。野球のボールの縫い目、たかが縫い目、されど縫い目、実に繊細な使い方をされております。