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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2018-01-07 【女優さんのアクの強さは、必要アク】

新年も1週間が過ぎまして、テレビ番組も通常に戻りつつございます。NHKの大河ドラマ、最初の方をチラッと見てみました。店番をやりながらなので、あまりジックリとは見れないのでございます。明日にでも腰を据えて、録画を見ることにいたしましょう。

どうも大河ドラマは、男性が主役の年しか興味が湧かないのでございます。ということで、1年ぶりでの視聴、大河ドラマ『西郷(せご)どん』なのでございます。主役の鈴木亮平さんは、まぁ器用な役者さんでございますね。役に合わせて太ったり痩せたり、時にはパンツを被ったりと、多才でございます。

何でも出来る、まぁ悪く言うと「器用貧乏」な役者さんというのは、非情に使い勝手の良い”脇役”として重宝されることが多いのでございます。逆に、不器用なゆえか何かしら目を引くという人の方が、その不器用ながらも主役に抜擢されることも多い。ですので、鈴木亮平さんの主役は、ワタクシとしてはチョイト微妙な気持ちなのでございます。

もう1人、脇役として重宝されてきた女優さんがございます。西郷隆盛の妻の役の「黒木華(はる)」でございます。彼女も、なまじっか演技力に長けているために、どんな役も無難にこなすのでございます。しかし、主役として抜擢されると、そのアクの無さが災いして埋没しやすいのでございます。

主役を張るというのは、どこか「悪目立ち」が必要だと考えております。「我(が)」と言うのでしょうか、「反体制」と言うのでしょうか、回りの人達に「仕方ねぇなぁ、こいつのやり方につき合ってやるか」と思わせてしまうのでございます。まぁ、その悪目立ちを補って余りある”輝き”を本人が持っているからこそ、回りが従順するのでございますけどね。

さて、鈴木亮平と黒木華のご両人、組み合わせとしては、どちらも同じタイプで良いコンビだと思うのでございます。ただ、どこかに「アク」を持たないと、2人合わせて平凡な演技になってしまいそうで、少し心配しております。まぁ、ワタクシの好きな女優さん、黒木華さんが抜擢されたことは、個人的には大喜びなのではございますけどね。

ただねぇ、その黒木華さんの初登場の場面が、老け役とか、もうね、NHK、最悪! 肌ピッチピチの若い人が老け役やっても、キマルわけないじゃん。どうして、もっと一番綺麗な姿で登場させないかなぁ? この「老け役初登場」の技法は、朝ドラでも頻繁に使われる。もう、どうにかして!

「アク」が有るとか無いとかというお話をいたしましたが、純粋な物にほんのちょっと不純が混じるというのは重要。甘い物にほんの少し塩を入れると甘みが増すでしょ。シリコンという”土”にほんの少しの不純物を混ぜると、トランジスタという現代ITの要(かなめ)となる部品になる。

歌や演技も同様。純粋すぎる歌や演技は、どうしても今ひとつ魅力を欠いてしまうのでございます。ほんの少しの、何かしらの「アク」、これがあると、その歌や演技が俄然魅力を帯びてくる。しかし、度を超すと、単なる悪目立ちになってしまう。

素晴らしい芸術というのは、純粋さと、ほんの少しのアクとの、その間の微妙なバランスの中の狭い狭い隙間の中に存在するのかも知れません。芸術作品を量産出来る人というのは、その狭い隙間を本能的に狙える能力が有るのでしょうね。

まぁ、そんなことを考えながら、新しい大河ドラマを視聴していきましょうか。どんなドラマになるのでしょうね。


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