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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-12-13 【小さな記号とお思いでしょうが...】

先日、年末年始のスケジュールをご案内いたしましたが、そのスケジュール表の画像を見ておりまして、妙な違和感が ...よ~く見ますと、タイトルの「'16~'17 年末年始スケジュール」の部分、数字の前に付けられている記号が、化けているのでございます。今は修正しちゃいましたが、修正前の画面がこちら。

この印を付けた記号、これは本来「アポストロフィ」という「コンマ」の様な下向きの記号。なぜか逆さまになってるこの記号は「クォーテーションマーク」でございます。ワタクシ、こんな記号を入力した覚えはござんせん。どういった仕組みでここの記号が化けてしまったのか? それを検証するのでございます。

他のテキストエディタで同じタイトルを入力すると、記号の化けは無い。ということは、このスケジュール表を作製したアプリだけの現象のようでございます。使っているアプリは「Adobe Illustrator」。漢字変換は「ATOK」。この組み合わせに、謎が? さっそく検証でございます。

Illustrator での変換途中の映像がこれでございます。注目すべきは、ポップアップメニューの中では間違いなく「アポストロフィ」が選択されておりますが、上の文字はクォーテーションマークになっていること。いろいろ検証を進めますと、どうも、ポップアップメニューを出さずに一発で変換すると正しくアポストロフィが入力出来るのですが、変換キーを押してこのポップアップメニューを表示させてしまうと、この記号バケが発生するようでございます。

システム、アプリ、漢字変換ソフト、フォント、それぞれのバージョンなどの関係で、ワタクシの環境だけで発生する現象なのかも知れません。Illustrator も7年も前のバージョンですから、もはやそのバージョンを使い続けるのは自己責任の世界。まぁ、これから気をつければいいことでございます。

「記号ごときに、神経質な」と思われるかも知れませんが、ワタクシがアポストロフィとクォーテーションマークの入れ違いに違和感を覚えたように、やはり気がつく人には気づかれてしまう。後々に残るものでもございますし、「抜かりなくやりたい」と思う職人気質なのでございます。

こういった記号を専門用語で「約物(やくもの)」と申します。約物の使い方には伝統的な規則がございまして、それを記したこんな辞典や書物もございます。

『句読点活用事典』『記者ハンドブック新聞用字用語集』なる書物でございます。『記者ハンドブック』に関しては、今や電子辞書版が出ておりますので、そちらの方が便利かも知れません。日々、文章を書いておりまして、記号の使い方、用語の表記揺れなど、時々確認したりしております。

ワタクシが、未だに使い方で悩むのが、文末に来る“閉じカギ括弧+読点"という組み合わせ。約物で書くと、 」。 となります。これが文章の最後に来ると、悩ましいことになるのでございます。『記者ハンドブック』でも、その部分には10以上の用例を出して解説。要するに、前後の流れで、省略されたりされなかったり、カギ括弧の内側だったり外側だったりしちゃうのでございます。

約物に一番厳格な書物は、芝居の台本ではないでしょうかねぇ。脚本家にもよりますが、「…」と「……」で間(ま)の違いを表現したり、「、」「。」の違いが重要な意味を持っていたりと、とにかく、一字一句、約物の使い方などの小さな所にも脚本家の意図が隠れていたりいたします。まぁ、全ての台本がそうと言うわけではございませんけどね。

ということで、思いもよらぬ記号バケから、約物のお話をさせていただきました。『Illustrator』の様なアプリでは文字の表現はかなり自由なのですが、今、読んでいらっしゃるネットの文章では、字間などが固定されており、読みやすい文章を書くためにはチョイトしたテクニックが有ったりいたします。まぁ、そんなテクを、いずれご紹介いたしましょうか。では、長くなりましたので、今回はこの辺で。テク、テク。


■参考■

『句読点活用事典』
  大類雅敏 編著
  栄光出版社 ¥2,000+税

『記者ハンドブック新聞用字用語集』
  共同通信社
  最新刊は13版で ¥1,900+税

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