店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
『探検バクモン』という番組を見ておりました。今回のテーマは「マンガミュージアム」。なんでも、漫画の「原画」を欲しがる外人さんが増えているとのこと。そういえば、手塚治虫さんの原画に関する書物が有ったなぁと思いだし、部屋中を探し回ったけど見つからなかったのでございます。まぁ、ボチボチ探すといたしましょう。
何年か前に、手塚治虫さんの原画展を観に行った事がございます。多分、その際に購入した書物だったような気がいたします。で、漫画の原画というもの、見る機会があったら、一度、現物をご覧になるとよろしいかと存じます。
印刷物となった漫画は、綺麗に清書されておりますよね。ノイズも全部消されております。しかし、その原画たるもの、漫画家の試行錯誤、千辛万苦、悪戦苦闘、その残骸の全てが、原画の上に残されているのでございます。
何度もホワイト(修正液のこと)を使って修正したり、紙を貼って書き直したり、コマ割りを切ったり戻したりした跡など、1ページにこれだけ悩むのかと感服の至りなのでございます。漫画と言えば、その文学性が問われる事が多いのですが、こと原画に関しては、美術的要素が強いのでございます。
で、『探検バクモン』でのお話ですが、海外から原画を見たい、原画が欲しいという要望が多く、今は原画の複製に力を入れているそうでございます。まぁ、その複製のレベルの高さもハンパない。肉眼では区別が付かない程の複製を目指しているそうでございます。
ここでね、ワタクシ疑問に思ったことがございます。漫画の原画にはふた通りございまして、ひとつは、先ほど申した悪戦苦闘の残骸が残っている原画。そしてもうひとつは、最初から鑑賞用に描いた直筆画でございます。
海外から要望が多いというのは、どれの事なのでしょうねぇ。絵画として楽しみたいのか、あるいはワタクシみたいに原稿から漫画家の息づかいを感じ取りたいのか? ここのところは、番組にもっと突っ込んでいただきたかったことでございます。残念!
原画から発散する作者の息づかいというもの、油絵だったりすると、より強く感じるのでございます。油絵は絵の具のタッチが大きく絵に残っておりますからね。ワタクシが中学生くらいの頃でしょうか、愛知県美術館に「ゴッホ」が来た事がございます。そこで、ワタクシ、危ない未遂事件を起こした事がございます。
ゴッホが浮世絵風の絵を何枚か描いておりますよね。その絵の前まで来たとき、絵の具の盛り上がりが、どうしても気になりだしたのでございます。プルンと膨らんだ絵の具、その絵の具に触って感触を確かめたいという衝動に駆られたのでございます。
「様で」と言うのは、あまり記憶が無いからでございます。急に美術館の中がざわめき、すぐ横に座っていた監視のお姉さんに、ムチャクチャ恐い顔で叱られたのでございます。そこで初めて、「あ、触ろうとしちゃったんだ」と気がついたのでございます。