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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-10-30 【家庭裁判所はあなたの消しゴムではありません】

朝日新聞デジタルにて、性同一性障害がらみの記事を見つけたのでございます。一度変更した性別を元に戻したいと要望する元男性の記事でございます。要約して紹介いたしましょう。

記事の主は神奈川の40代の元男性。2003年にタイで性転換手術を受け、その後、国内の複数の心療内科で性同一性障害の診断を受け、その診断を元に2006年に性別変更。しかし、性別が女性では就職もままならない。男性に戻すべく家庭裁判所に申し出ているが認めてもらえない。といった経緯でございます。

ここで話がややこしくなっているのは、診断を受ける前に自分でタイで性転換しちゃっている事でございます。心療内科の先生も、こういった例は困るでしょうねぇ。アソコを切り取ってますからねぇ。診断を出さなかったりすると、その男性は宙ぶらりんになる。診断が甘くなった可能性も有るのでございます。

この時期に性転換した人を何人か知っておりますが、当時はネットでちょいと検索すると、性転換ツアーの案内がいくつか見つかったものでございます。旅費、手術、術後の入院、これらがワンセットになっているのでございます。病院はタイ。タイの病院にとっては、貴重な収入源だったのでしょう。

日本国内で正規の手順で性転換をしますと、時間も労力も非常にかかるのでございます。ですので、正規の手続きをすっ飛ばし、融通の利く国内の美容外科やタイの病院で手っ取り早く手術をしちゃう人が多いのでございます。

かつては、性転換というのはニューハーフを生業とする人の専売特許でございました。それがある時期から急激に、一般の方々にも浸透し始めたのでございます。「性同一性障害」という病気が「発明」された時期からでございます。そう、あえて「発明」と言っちゃいますよ、ワタクシは。

この「発明」以前の時期は、性転換というのは「美容整形の延長」でしか有りませんでした。ニューハーフが自己の美学を追究する最終形態、それが性転換でございます。そこには、自分の「心の性」なんてものは関係ございません。あくまでも「美」の追及なのでございます。

というか、ニューハーフというのは「女らしさ」を売り物にしている商売。正確に言うと、「男性が理想とする女性像」を追及しているのでございます。そして、客観的に追及すればするほど、「やっぱり、本物の女とは違うよね」という実感を持たざるを得なくなるのでございます。

ニューハーフは、「お客様からどう見えているか」と客観的に女らしさを考えます。ところが性同一性障害という病名に触発された一般の方々は、自分の心の性を主観的に考える過ぎる傾向がございます。ですから、悲劇が起きやすくなる。性転換後の自分の人生設計が甘々な人が時々いらっしゃるのでございます。

さらに、火に油を注いでいる要因がひとつございます。それは、性倒錯、衣装倒錯を引き起こす要因は、性同一性障害だけではないということ。幼少期に経験した育児放棄・イジメ、あるいは成人してからのうつ病、心身症などの心の病気、こういったことも心の性の混乱を引き起こすのでございます。

ところが、性同一性障害の診断において、こういった他の要因を徹底的に排除するという努力は、長らく行われてきませんでした。悪い意味で、性同一性障害が「ブーム」になっていたのでございます。また、カウンセリングからホルモン療法、手術までをパックで請け負う、性同一性障害ビジネスなんてものも生まれたのでございます。

アメリカなどでも、性転換後に自殺する人の増加が問題となり始め、手術ではなく心の治療を優先する流れが生まれ初めております。日本でも、性同一性障害の治療に関しては、再考する重要な時期に差し掛かっていると思うのでございます。

さて、冒頭のニュースの男性。記事によりますと、今は会社(パン工場)の理解もあり、男性として働いているそうでございます。まぁ、戸籍は仕方が無いと割り切り、男性としてこのまま生きていくのが幸せでしょうね。

最後に、性転換を考えている人に、ワタクシからひと言、ご注意を。「すでに女性として職を持ち、24時間女性として生活している人でなければ、性転換は絶対してはいけません」ということ。まぁ、そういうひとは、すでにパンツの中身には拘らなくなっているかも知れませんけどね。では、では。


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