店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
フルートでございます。白いフルート。樹脂製。「nuvo」という海外のメーカーの楽器でございます。このメーカー、他にもクラリネットやサクソフォーンなども樹脂で開発しております。本来、金属や木製で作られる管楽器を樹脂製にすることで、軽く、扱いやすくなり、主に子供向けに販売しているメーカーでございます。
この白いフルートは、「Student Flute」という名前でして、学生さん向けなんでしょうね。この製品の他に、子供が持ちやすいように頭部管を曲げてコンパクトにした「jFlute」というラインナップもございます。「Student Flute」が実売価格¥15,000程度。「jFlute」が¥12,000程度ということで、初心者向け金属製フルートの5分の1程度の価格ということになりましょうか。
さぁさぁ、では、ワタクシのフルートコレクションを、ひけらかし...いや、いや、紹介いたしますよ! 最初にフルートを購入したのは中学生の時。「ムラマツ」という日本のメーカーのもの。アルバイトしながら36回払いで購入した覚えがございます。それが、これ。
中学・高校・音大入試(失敗)・バンド活動と、ほんと使い倒したフルートでございます。これまでに2回ほどオーバーホール(分解して再調整すること)いたしまして、今でも現役のバリバリ。その後、バリ、じゃなかった、バブルの頃、この楽器がバージョンアップされることになるのでございます。それが、これ。
フルートの頭部管のみ。大仰なケースに入っております。貴金属をあまり買わないワタクシですが、この頭部管はYAMAHAの純銀製。フルート本体が1本買えてしまうほどの価格でございました。このYAMAHA製の頭部管が、ムラマツの本体に合体したわけでございます。メーカーが違うのにピッタリ合うというのは摩訶不思議。ですが、合ったのでございます(YAMAHA名古屋店の工房で、調整はして貰いましたけどね)。
「普通のフルートじゃん」と思われますよね。月日を経て、普通のフルートに成り下がってしまったのでございます。実はこのフルート、購入時は金色をしておりました。もちろん価格的に本物の金で無いことは分かっておりましたよ。なんか、人前で格好つけたくて購入したのですが、カチャカチャと安っぽいので、あまり使ってはおりません。
このフルート、写真を撮ろうと20年ぶりくらいでケースから出しましたら、見事、表面の金色が無くなっております。どこかに痕跡が残っていないかと、グリングリンと見回しましたが、綺麗に消えてる。「メッキが剥がれる」とはよく言いますが、見事、表面のメッキが“蒸発”しております。安っぽいフルートではございましたが、ちょっと寂しいのでございます。
ガラス製のフルート。これはねぇ、メカニズムが付いておらず、ガラス管に穴が開いているだけ。それを指で塞ぐのでございます。外国製なのですが、手の小さいワタクシには、全く指が届かない。手の大きい外国人でも、これを演奏するのはかなり大変かと。音はね、ガラス瓶の口を吹くと「ボー」とか「ピー」とか音が鳴るでしょ、あんな感じ。やはり、オモチャ的な楽器でございます。
全部を並べてみましたよ。う~ん、壮観。で。最初に紹介した白いフルートの感想を、お話しいたしましょうか。なんかね、レスポンス(反応)が悪い。車でいうと重い車体に非力なエンジンが付いている感じ。速い動きに音が付いてこず、演奏していて重た~い。金属製や木製の楽器ですと、使っているうちに楽器が馴染んでくるということがありますが、樹脂製ですと、どうなんでしょうねぇ。
やはり、金属製の本物のフルートと比較しますと、その演奏性は歴然と違います。「Student Flute」という名称ではございますが、本格的にフルートを勉強しようという人には、勧められないですねぇ。でも、他の楽器をやっていて、遊び程度に演奏するというのには、オススメの価格ではないでしょうか。あと、高校野球の応援では重宝するかも。炎天、雨、これらの影響を受けにくいですからね。こんなこと書いて、メーカーの人、ごめんなさい。