店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
スタンフォード大学の行った「マシュマロ実験」というものがございます。実験対象は何人かの4歳児。その4歳児を1人ずつ部屋に通し、椅子に座らせ、テーブルの上にはお皿に乗せたマシュマロが1つ置いてある。そして仕掛け人がこんな言葉を4歳児に発します。
「僕はちょっと用事が有って15分程出てくる。そのマシュマロはあげるけど、戻ってくるまで食べるのを我慢できたら、もうひとつマシュマロを上げよう。ただし、我慢できなかったら、ふたつ目は無しだよ」
実験結果。3分の2の子供は、マシュマロを触っている内に我慢できずに食べちゃった。3分の1の子は、他のことをやって気をそらし、我慢することが出来たそうでございます。さて、実験の真の目的はこのずっと後に有るのでございます。
この子達のその後10~15年後を、追跡調査したそうでございます。すると、我慢できた子は大学進学適性試験の点数で、2400点満点で平均210点高かったそうでございます。なんとも、スパンの長い実験でございます。
「1つの誘惑に勝てるということは、あらゆる誘惑に対しても自制心が働きやすい。逆に、1つの誘惑に負ける人は、あらゆる誘惑に負ける」
ちょっと極端な仮説ですが、何となく当を得てるかなとも思うのでございます。この仮説を考えるに、じゃぁ、将来成績の良い子供に育てようとしたら、4歳児の頃からまず「我慢」を覚えさせることが”いの一番”だということですよね。でも、確かに、そんな4歳児がいたら、将来大成するように思えてくるのでございます。
さて、この実験を見て、最近の「カジノ解禁」の話に結びついたのでございます。ギャンブル依存症を防ぐために何やらいろいろ策を講じているようですが、要は「本人が我慢できるかどうか」でございますよね。策を講じるよりも、小学校から「我慢」をカリキュラムに組み込むことが重要なんじゃないですか?
学校つながりで思い出したのが、自動車教習所。交通事故のほとんどは、「我慢」が出来ないから起こるのでございますよね。細々とした交通ルールが守れない。数分の赤信号が待てない。飲酒運転を自制できない。誘惑に弱い人ほど、事故を起こしやすい。
それでですね、教習所ではとにかく「我慢」を叩き込むのでございます。どうやって叩き込みましょうか? 練習コースの信号機は、赤信号が5分くらい続くとか(笑)。横断歩道では、ゆっくりゆっくりとお婆さん(のロボット)を渡らせるとか。受講者も、この「我慢」が無事故につながることを意識して受講すれば、効果はさらに大きいのでございます。
ワタクシは、音楽・舞台・水商売・風俗と、人気商売を渡り歩いております。人気商売の世界でも、この「我慢」というか「自制」は重要な要因なのでございます。やはり、「我慢・自制」の出来る人は強いし、人気も出ることが多い。多分、スポーツも同じでしょうね。「我慢=ストイック」と置き換えられるのではないでしょうか。
ただ、ワタクシの経験では、人気商売やスポーツで結果を出す人は、「我慢」を我慢とは思っておりません。「投資」と考えております。我慢だと思うと苦痛ですよね。でも、自分への投資だと思い、ステップアップだと思うと、それが快楽に変わってくるのでございます。
人気商売で伸びる人とそうじゃない人の違いは、この「我慢を快楽に変換する思考」にあるのでございます。伸び悩む人というのは、ちょっとした投資が苦痛で出来ない。お金や労力を費やすことに、妙にハードルが高かったりするのでございます。「もったいない」「面倒くさい」が優先しちゃうのですよね。