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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2017-07-23 【災害の多い日本では、まず失業しない職業】

今度は秋田で豪雨とか、ここのところ、日替わりで豪雨災害のニュースが飛び込んでまいります。被害に遭われた方々、ご苦労をお察しいたします。各地からのニュースを見ておりまして、どこの地域のニュースかは見落としましたが、被災者の方のこんな「声」が気になったのでございます。

(インタビューに答えて)「ボランティアの方々のおかげで、本当に助かっております。ただ、休日に集中しているので、平日にも来ていただけると助かるのですが...」

え~と、ちょっと深読みいたしますよ。休日にはボランティアが来てくれるのはありがたいのですが、多すぎて収拾が付かない。逆に平日にはほとんど、あるいは全く来ないので、もう少し平均して来ていただけるとうまく行く、と、こんな意味合いではないかと。被災者の方がわざわざ言及するということは、ありがたいと思いつつも、若干の違和感を感じているのかなぁと、深読みするわけでございます。

このニュースを見て、最近読んだ、あるコラムを思い出したのでございます。「松本すみ子」さんという方が書かれたコラムで、有償のボランティアを薦める内容でございます。


「有償」のボランティア活動が盛んになっている理由
http://www.mag2.com/p/news/257115

松本すみ子さんは、「ボランティア活動を計画的・継続的に運営するには、無償だけでは難しい部分が有る」と述べております。無償なので、ボランティアの人に注文を付けにくいということ。そして、中には気まぐれに来て気まぐれに帰って行くボランティアもいることでしょう。それを、有償にすることによって、コントロールしやすくなると言っております。

この件に関して、ワタクシも似たような意見を述べたことがございます。しかも、10年も前に。そのページがこれ。

ワタクシは、「プロのボランティア」を養成するべきだと、このとき申しております。災害が起きると、一時のブームのようにボランティアが集まります。しかし、熱が冷めると、今度は誰も見向きもしなくなる。また、休日に集中するとか、災害の素人さんばかりで即戦力に繋がらないとかございます。そこで、有償のプロボランティアの発想に至ったわけでございます。

国際救助隊「サンダーバード」では、サンダーバード1号がまっ先に現場に降り立ち、状況を把握し、救助計画を立て、指令センターを現場に設置いたします。そして、実際の救助活動を行うサンダーバード2号が後から到着、これがお決まりの流れでございます。

これは、実に理に適っている。闇雲に動き始めてもダメ。ボランティア活動でも同様でございます。無償で来てくれるボランティアの方々、本当に貴重な存在でございます。その方々の統制を取ったり、指示を出したりするというポジションに、プロのボランティアがいてもいいと思うのでございます。

有償ということには、日本人は敏感でございます。そして「売名行為」だという批判が出やすい。これが、日本のボランティアが「無償」に拘り続ける要因になっております。でも、計画性とか継続性とか考えますと、無償ではコントロールが難しい。無償と有償のバランスが重要になってくると思うのでございます。

そこで、ワタクシの提案。災害時には、まず、現場にプロのボランティアを招集する。計画や受け入れ態勢が出来てから、一般の無償ボランティアを募集。支援物資も、最初は企業の新品物資のみ。災害直後、混乱期の現場の負担を最小限にするためでございます。支援物資というのは、仕分けに多くの労力を必要とするからございます。

さらに、その企業からの支援物資には、企業の名前を大きく入れさせる。災害現場には、連日、多くのマスコミのカメラが入ります。しかも、全国放送。これは、おいしい。マスコミも、あえてその企業名が映り込むように報道する。それを国民が「売名行為」だと騒がない風潮を作ることも重要。

一般市民は、製品を購入することでその企業を応援することが出来る。その応援を受けて、企業も支援物資に力を入れられる。被災地へのこういった応援の仕方もあるのでございます。また、プロボランティアの服には、やはり企業名を入れる。プロボランティアへの報酬は、その広告収入から得ることが出来るのでございます。

どうも日本語の「売名行為」には、悪い印象が強いですよね。売名行為だと誹(そし)るのではなく、計画性・継続性のある活動には「有償」というシステムが必要なのだという理屈を、理解してくれる人が増えて欲しいと願うのでございます。


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