店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
新人が入りますと、その新人さんの名前のはんこを新調いたします。その用事もありまして、今日の午前中は、東急ハンズへ行っておりました。名前が既成のもので見つかれば、そのまま買って帰るだけ。なければ、発注して数週間待つことになるのでございます。
なで肩になったのは、でレビ電波のデジタル移行が契機でございます。かつてのテレビ塔には、その肩口あたりに各局のアンテナがひしめいておりました。特に目立っていたのは、側面の4方向に張り出していた縦長のアンテナ。あのアンテナがちょっとした”いかり肩”風に見えておりまして、凜々しさに一層拍車をかけておりました。
テレビ塔が存命したのは、大変嬉しかったのでございます。しかし、アンテナが外されて妙になで肩になったその姿には、当時、ガッカリしたものでございます。それで、ふと気になって、兄弟分の札幌テレビ塔を確認いたしました。
設計者が同じということで、かなり似ている兄と弟。お腹にデジタル時計を巻き付けられてしまった弟分は、ちょいと不格好な姿になっております(失礼)。最初から無かったのか、弟分の肩まわりはスッキリとしております。
そこで、テレビ塔に関していろいろ調べておりましたら、アンテナを取り外した頃のニュース記事が見つかったのでございます。そこにはなんと! 衝撃的な言葉が! 「アンテナを取り外されて、テレビ塔は建設当時の姿に戻った」とあるではございませんか!
そう、ワタクシが「凛々しい」とカッコ良く思っていたテレビ塔のお姿は、仮のまやかしのお姿だったのでございます。アンテナが取り外され、なで肩になった今のお姿こそが、生まれたままの真のお姿。建設当時の写真を探しますと、まさに今のお姿にうり二つ。
テレビ塔様は、長年、重荷を背負って責務を果たし、今、やっと解放されて、その余生を過ごしていらっしゃるのでございます。そんなテレビ塔様に、いかり肩の昔の方がカッコ良かったなど、ワタクシは何という暴言を吐いたのでございましょう。
あぁ、テレビ塔様、あのアンテナ、重かったでございましょう。辛かったでございましょう。太いケーブルを体中に張りめぐらされ、さぞや息苦しかったことでしょう。そのアンテナも、ケーブルも、今はございません。どうか、肩の力を抜いて、ノンビリと名古屋の街並みを見下ろしていて下さいませ。
いやぁ、いかん、いかん、ついつい、感情的になってしまいました。名古屋のテレビ塔は、遠景で見たときの美しさもございますが、その直下に行くと、ある奇妙な構造に驚かされるのでございます。塔の最下部、鉄骨で組まれた4本の足の陰に、コンクリート製の巨大なアーチが組まれているのでございます。
そこで、また新たなる衝撃の事実が! 実は、あのテレビ塔、「ほとんど地面に置いてあるだけ」なのでございます。普通は地下何十メートルも掘り下げて基礎を作りますが、地下鉄予定地ということで、掘り下げられたのはたった6m。身長180mのテレビ塔様にとっては、ちょっとつま先が地面にめり込んでいる程度なのでございます。
そこで、4本の足がクパァと開いていかない様に、巨大なコンクリート製のアーチで補強しているのでございます。また、コンクリートの重量が塔全体の重心を下げる効果も担っております。子供の頃はそのコンクリートが邪魔で不思議に思えておりましたが、理由が分かると、納得なのでございます。