店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
真央さんの会見時のファッションがね、これまた潔い。白と黒のツートンカラー。特徴的なのは、アクセサリーが皆無なこと。あの胸が開いたブラウスなら、細いネックレスを付けるだけで強烈にフェミニンの芳香を醸し出せるはずなのですが、付けないですねぇ。
シンプルな服、アクセサリーで飾らない、力強い眉、こういったお姿を見るに、「気力も体力も尽きた」という本人の言葉とは裏腹に、大きな自信を感じるのでございます。決して迷ってはいないし、心折れているわけでもない。浅田真央さんの心の中では、もうすでに次の一歩に向けて、力強く前を見据えている感じでございます。
さて、お話変わって、ワタクシがお店の新人さんに指導する際、やはりファッションに関しても指導をしたりいたします。ファッションに自信のない新人さんは、「黒」に走ることが多い。黒という色は、ラクチンなのでございます。で、黒に逃げることになるのでしょうが、実は、黒は難しい色なのでございます。
黒を着ると細く見えるかな? そんな気分で黒を選ぶのかもしれませんが、黒は小さく見せると同時に、重たく見せてしまうのでございます。その重たさは、着る人の輝きまでも吸い込んでしまう。ですから、黒を着るときはアクセサリーで輝きを足すのでございます。すると、主役はアクセサリーに移り、黒は下地として効果的に働くのでございます。
ファッションの色に関係なく、ほんの小さなアクセサリーは、強烈にフェミニンの香りを発散させるのでございます。これも、普通の女の子では当たり前ですが、この業界に入ったばかりの新人さんですと、そういったことには気が回らない。
お化粧も含め、ファッションとは目の錯覚でございます。メイクアップというのは、顔に陰影を意図的に描き、違った顔立ちに錯覚させる技でございます。服飾も、他人の目をどこへどんな流れで誘導させるかという技。そう、錯覚、つまりゴマカシの技術なのでございます。
そこへ持ってきて、ファッションを見るときの、男の目、女の目というものがございます。女の目は、全体をトータルに眺める。しかし、男の目は、見方がピンポイントなのでございます。目・髪型・胸・服の柄・おしり...部分部分に注目はしますけど、なかなか全体像をボンヤリと見るというしかたはしない。
ですので、新人さんには、「できるだけ大きな鏡で自分を見ろ」と指導しております。お化粧も、出来れば顔全体が写る大きめの鏡を勧めております。けど、小さな鏡でチマチマとお化粧をしてしまう新人さんが多いのですよね。これは、まだ「男の目」が強いから、全体像にあまり興味を持てないからでございます。
こういったことを踏まえて、浅田真央さんの引退記者会見のファッションを再考してみましょう。本来「ゴマカシ」であるはずのファッションの技は、ほとんど見受けられない。それこそ、「ありのまま」の自分をさらけ出していると言える。野球で言えば、剛速球ストレートでございます。