店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
大相撲初場所の真っ最中でございます。ここのところ、「隠岐の海」関に興味津々なのでございます。前場所の九州では、初日からいきなり八連敗。実にやるせない顔つきで臨んだ九日目に、やっと一勝目。涙目でインタビューに答えていたのが印象的でございました。しかし九日目から打って変わっての五連勝で、終わってみれば、五勝十敗の成績でございました。ちょっとやさぐれ感のあるあの顔立ちが、な〜んか気になるのですよね(失礼)。
さてお話は開催中の春場所の話。昨日(1/14)の隠岐の海・豊ノ島戦でのこと。隠岐の海が逆転して勝ったように見えましたが、なぜか軍配は豊ノ島に。物言いも付かないまま、そのまま勝敗が決まってしまいました。前日まで四連勝中でしたから、隠岐の海関、悔しかったでしょうねぇ。で、本日(1/15)のNHKの大相撲中継では、アナウンサーが昨日のその一戦に言及しておりました。
アナウンサー「隠岐の海、昨日は逆転の末に豊ノ島を下したのですが、なぜか軍配は豊ノ島に上がり、そのまま物言いも付かないということがありました。惜しい星を落としました」
とさ。アナウンサーも、あれを「誤審」だと思っているようでございます。というか、テレビの精細なスローモーションではっきりと見えておりますから、テレビ中継を見ていた人は、ほぼみんな、「誤審」だと思ったでしょうねぇ。ところが、相撲の世界には誤審という概念はない。真実や過程がどうであろうと、最終的な判断は、審判団の「胸先三寸」。なぜならば、「死に体」「かばい手」「送り足」といったグレーゾーンなルールを残しているからでございます。
さらに、「同体にしてもう一番取らせた方が盛り上がる」とか「この関取には横綱になってもらいたいから...」といった「興行的」な理由では?と、いぶかしく思われる場合もあったりして。ただ、そもそも大相撲はその発祥が「興行」であって、近代になってスポーツ的要素が入ってきたのでございますが、どうも、その興行とスポーツとの兼ね合いの歪みに、先ほどのクレーゾーン的なルールが残ってしまっているのでございましょう。
日本人は、大相撲のそういうグレーなところも含めて楽しんでいるわけでございますが、近年になって増えてきた外国人力士には、どこまで理解できるでしょうかねぇ。ヘタすると、「外国人差別」と受け取られるのでは、と心配になったりするのでございます。勝敗にお金が絡んでいるのでございますから、もうそろそろ「グレーなルールの見直し」をしてもよろしいのではないでしょうか? 現状でもビデオ判定は行っておりますが、どうも、ビデオ室の意見よりも土俵上の審判団の思惑の方が勝ってしまっているようで、ビデオ判定の意味があまりないのでございます。
せっかく、世界のNHKが放送しているのでございますから、今、はやりの4Kカメラを駆使してはどうでしょうかねぇ。土俵を四方向から囲むようにカメラを向けておけば完璧でございましょう。八台くらいのカメラでグルッと囲んでしまえば、マトリックスよろしくストップモーションのままグルグル回すことだって出来ちゃうのでございます。4K画像なら、相当な画像拡大にも耐えられる。大きく拡大しても画像が荒れないことを見せつければ、4Kのいい宣伝にもなるのでございます。
スポーツの世界では、ビデオ判定ってのは急激に進んでおります。土俵の面積を考えると、サッカーやテニスなどよりはるかに簡略なシステムで行えるはずでございます。あとは、審判団の「プライド」でしょうかねぇ。ビデオ判定優先で勝敗が決まるのなら、審判団はいらないだろうって話になっちゃいますからね。でも、これはビデオ判定の導入を進めているスポーツ全てに共通する問題ですから、克服の糸口は見えている。むしろ、本当の「壁」は審判団のプライドではなく、「大相撲のスポーツ化」ではないでしょうか? スポーツと化することで、何か大きな伝統を失う、そんな恐れを多くの人が持っているのではないでしょうかねぇ。