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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2015-01-13 【♪大人の階段、の〜ぼる〜】

昨日は「成人式」でございましたね。ということで、本日は「成人」のお話。

ワタクシは立場的に、厳しい事を従業員に言わなければならないこともございます。当然、憎まれ役に回る事もございます。それで、時として、こんな事を言われる場合もございます。

「ママは嫌いなので、信用できません」

まぁ、さすがにこんなダイレクトに言われたりはしませんが、言葉の端々や態度から察するに、こういう気持ちでいるのだろうなと察するわけでございます。こういうときにワタクシが思うのは、「どうして嫌いだと信用できないのでしょう?」ということ。嫌いだけど信用している(信用しなければならない)ことって、世の中にはいっぱい有るのでは、というのが今回のお話の発端でございます。

会社勤めの方、嫌いな上司もいらっしゃるでしょう。たとえ嫌いな上司の下で働いていても、上司の指示をいちいち「こいつ、俺を陥れようとしているのでは?」なんて疑いませんよね。まぁ、疑いたくなるような上司もたまにいるかも知れませんけどね(笑)。でも、普通は好き嫌いを飲み込みつつ、会社という組織の中の一員として、上司の言葉を信じ、会社を信じて働いております。「本音」と「建前」なんてありきたりな言葉で例えられますが、まさに大人の世界ってのは、好き嫌いの「本音」と信頼関係の「建前」とは別物として行動しております。「嫌いだけど信用する」ってことは日常的に起こり得るのでございます。

ところが、ところが、若い人でどうしてもこの本音と建前の境地を受け入れられないでいる人が、時々いらっしゃるのでございます。こういう人は

「嫌い=信用できない」「好き=信用できる」

ですので、その結果、

「叱る人、反対する人=敵」「褒めてくれる人、賛同してくれる人=味方」

という図式が出来上がるのでございます。ワタクシは、この図式を責めるつもりはございません。小さな子供は、この図式で行動しております。自分に正直なのでございます。むしろ、本音と建前を使い分けている人の方が、いつも小さなウソをつきながら日々の生活を送っていると言えてしまう。「大人は嘘つきだ」なんてセリフがドラマなどでよく出てきますが、まさにそう、大人は嘘をつきっぱなしなのでございます。

じゃぁ、子供のような純粋な心のまま生きていけるかというと、そうでもない。俗に言う「ピーターパン・シンドローム」というやつで、コミュニケーションが取れなかったりとか、人に騙されたりとか、紆余曲折の人生を歩む事になるのでございます。悪い事に、この「ピーターパン・シンドローム」という語が、最近は「子供心を忘れていない純真な人」という肯定的な意味合いで使われる場合もあり、問題の本質を気づかせにくくなったりもしているのでございます。

さてさて、成人式は経たものの、大人の嘘つきの世界に片足でも踏み入れている人はどれくらいいらっしゃるのでございましょう。この「嘘つきの世界」に踏み出すこと、それこそが、真の「成人」だと思うのでございます。ということで、新成人のみなさま、嘘つきの世界へようこそ、なのでございます。


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