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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2011-04-29 【たゆたう】76.1kg

「“揺蕩(たゆた)う”とは、こういうことを言うのだろう」と、思いました。安藤美姫のショートプログラムの演技のことでございます。柔らかく流れるような演技は、全ての動作が滑らかに繋がっておりました。たとえジャンプをするときでさえ、他の選手が助走をつけて「ヤッァ」と飛ぶのに対し、安藤美姫のそれは前後の動作に溶け込むように自然でございました。もちろん、振り付けはあらかじめ決まっているのでしょうが、そんな段取りは微塵にも感じさせません。まるで、水面に浮く小さな花弁が波の動きに任せて漂っているような、そんな力みをまったく感じさせない柔らかく流麗な演技でございました。

さらに、彼女のスケーティングからは「喜び」を感じるのでございます。滑ることの楽しさを、体全体で表現しているように感じられます。多分、本人も滑ることが楽しいのではないでしょうか。そしてその喜びには、(ニューハーフのワタクシが言うのも何ですけど)「女の喜び」のようなものが感じられるのでございます。多分、「大人の女」としていろいろ経験してきているのではないでしょうか。体中から女のオーラが発散されております(ひょっとして、妊娠している?!)。

そして、実に安定感がある。見ていて全然ハラハラしない。安心してみていられる。熟達した職人が、八分目くらいの力で余裕かましながらやっているといった感じでしょうか。どんどん引き込まれる演技でございました。決して派手な演技ではございませんでしたが、高得点を得たのには納得できたのでございます。

さて、浅田真央とキム・ヨナですが、二人ともどんどん体つきが女っぽくなってまいりましたよねぇ。でも、ハートは二人ともまだまだ「女の子」という感じでしょうか。キム・ヨナが悪女や悲哀を表現しても、やはり「振り付けとして貼り付けた」という印象を得てしまうのでございます。なんて言うか、恋愛もしたことないアイドル歌手が悲恋・失恋の歌をそれっぽく歌うような感じと申しましょうか。安藤美姫のような、内側から醸し出るようなオーラは、まだまだございませんね。

浅田真央は、相変わらず肩と腰骨を結ぶ四角形が固まっております。シロウト考えですが、テクニックを磨く練習に固執しているのではないでしょうか。体を斜めに使うとか、オフバランスの感覚ってのは、それなりに訓練しないと気がつかないものでございます。ジャズダンスのようなものをやってみると、いいのではないでしょうかねぇ。一方、キム・ヨナは、相変わらず高得点ですねぇ。“減点されない演技”というのを、徹底的に研究しているのかも知れません。ということで、まだフリーの演技を残してますが、どうなるのでしょうか。


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