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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2011-03-23 【手触りの良い言葉】76.55kg

本日も震災に関するテーマでございます。北関東の農家の方々が、大変な苦労をしていらっしゃいます。出荷制限や摂取制限の対象外の野菜まで、門前払いの返品をされているとのこと。あえて辛辣なことを言わせていただければ、やれ義援金だ、やれ被災者救済だと、手触りのいい人助けが声高に叫ばれている影で、無関係な農家を窮地に追いやる冷酷な利己心がまかり通っている。被災者には思いやりを持てるのに、どうして北関東の農家には思いやりで接することは出来ないのでしょう。タイガーマスク現象のときもそうですが、「リスクを負わずに、カッコイイことをしたい」という自己中な愛情を見たようで、ちょっと嫌な思いでございました。せめて、安く買い叩くぐらいなら、何とか納得も出来るのですけどね。

さて、最近の新聞が、やや薄くなっているのを気づかれているでしょうか? 新聞紙面から、大口の広告が姿を消しているように感じられます。その影響で、ページ数が減っているのでございましょう。また、テレビでは、連日「AC JAPAN」(公共広告機構)のCMが流されております。ワタクシはこのような現象にも、「間違った愛情による暴力」を感じるのでございます。この暴力とは、「不謹慎」という語の暴力でございます。

企業がこの時期に大きな出費を出すというのは、非常に苦しいはずでございます。余裕が無く、かなり無理をして義援金などを出している企業があるかも知れません。企業がどうしてそこまでやるか? それは、企業が自社の社会的な責任を考えるということもあるでしょうが、「不謹慎」というクレームの暴力を恐れている面もあるはずでございます。つまり、企業側の都合に関わらず、“出さざるを得ない流れ”の中で義援金などを出している企業も有る様に思えるのでございます。

では、その企業は大っぴらに「これだけ義援金を出しました」と公言できるかというと、そんなことをすれば、今度は「売名行為だ」とのそしりを受ける。しかも、節電だ、節約だと叫ばれて、世の中は自粛ムードになりつつある。まったく、どこに企業の立つ瀬があるでしょうか? こんな悪循環を放置しておくと、そのうち「義援金倒れ倒産」なんて企業も出てくる恐れもございます。これは、「不謹慎だ!」「売名行為だ!」という、間違った愛情による暴力がはびこっているからでございます。

そこで、ACのCMなんかさっさとやめ、企業は自社のCMを復活させ、CM内で震災に対する貢献を明言するべきでございます。消費者は「売名行為」なんて叫ばずに、その企業の商品を購入する。すると、企業はその売り上げで、さらに震災援助を継続することが出来る。このお金がグルグル回るサイクルを維持し続けることが重要でございます。さもないと、すぐに企業は息切れを起こしてしまい、義援金や援助物資は一時のブームに終わってしまうのでございます。

この間違った愛情によるクレーム批判を恐れ、多くの企業は横にらみ状態で足をすくませております。このスパイラルを断ち切るには、行政指導という名の「鶴のひと声」しかございません。政府側がちょっとした誘導をするだけで、堰を切ったように(失礼、不謹慎でしたね)各企業がCMを再開するはずでございます。そして、その企業の商品を購入するような流れになれば、経済効果も高まるのでございます。年度末の決算期にこの震災が起きているという事実を、日本全体がもっともっと深刻に考えるべきだと思っております。


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