店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです
ブラッと本屋へ入って雑誌や書籍の間を散策するのが好きなのですが、そんなときに、思いも寄らぬ本に遭遇することがございます。先日、書店で雑誌を二冊ほど衝動買いいたしました。『Newton』という科学雑誌と、『般若心経入門』というこれまた難しそうな題名の雑誌でございます。書店のいいところは、パラパラッと中味を覗けるところでございますよね。で、雑誌をいろいろ立ち読みしておりましたら、この二冊の雑誌がワタクシの灰色の脳細胞の中で結びついたのでございます。科学雑誌とお経の本がどうして結びつくか、それをご説明いたしやしょう。
科学雑誌で気になったのが「無限ホテルのパラドックス」という記事。これは、「無限大」という数字にまつわるパラドックス(逆説)のお話しでございます。この記事で思い出したのが、「0による割り算」のお話し。みなさん、「1÷0」「0÷0」の答えをご存じですか? ワタクシが学生のころには、
1÷0=できない 0÷0=わからない
と教わった記憶がございます(最近の学説では変わっているかも)。「1÷0」というのは「ひとつの物をゼロ人で分ける」ちゅう事ですから、分けたくても分けようがない。ということで「できない」。「0÷0」というのは、「ゼロの中にゼロがいくつあるか?」ということで、これは一見、答えはゼロのようですが、実はゼロは何個集まってもゼロなので、ゼロの中にはゼロは1個かも知れないし、あるいは百万個かもしれない。答えが無限に存在するということで、「わからない」という答えになるのでございます(う〜ん、難しくてゴメンナサイ)。
色即是空:形あるように見えても、本当は何もないのと同じ 空即是色:何もないと思える空間にこそ、形が存在する
「色即是空」というのは、「形ある物全ては、本当はゼロなんだ」と言っているのでございます。ゼロだとすると、そのゼロがいくつ集まってもゼロ。つまり、「何もない(ゼロ)ように見えるところは、実は無数のゼロの集合体なのかも知れない」、それが「空即是色」ということ。ここで「有る=無い」という式が成り立つのでございます。この「有る=無い」という式はおかしく思えるかも知れませんが、「無限大」という数字が関わってくると成立してしまうのでございます。
部屋数が無限にあるホテル(無限ホテル)というのを想像してみて下さいませ。ただ今、無限ホテルは満室でございます。しかし、新たに客が一人、やってきました。さぁ、どうする? ホテルの支配人は全ての部屋の客を、ひとつ大きい部屋番号の部屋に移動させました。すると、まぁなんということでしょう、満室だったはずなのに、1号室が空室になったではございませんか。ということで、無限大という数字が関わると、「無=有」という式が成り立ってしまうのでございます。