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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2009-06-04 困ってしまって、ワンワンワワン

ワタクシ、ニューハーフのショーパブで働いていたことがございました。大きなお店でしたので、それこそいろいろなお客様がいらっしゃいました。普通、水商売の定石として「お仕事は何をされているのですか」なんてことを話の糸口に伺ったりするのですが、お客様のなかには仕事を隠す方もいらっしゃいます。デカさん(警察関係の方)とか税務署のほうからいらっしゃった方とか、あと、どろぼうさんとかでございます。

で、デカさんとどろぼうさんがひとつの店内にいらっしゃるという実に奇遇なめぐり合わせもございまして、そんなときは、店内で世の中の縮図を眺められるという希有な体験に「ケケケ」と心の中で笑いながら、天使のような笑顔で接客したものでございます。職業的な勘なのでしょうか、デカさんは「あいつ、あやしいな」なんて気づいておられますし、どろぼうさんは「あの客、デカだろ」なんて分かっていたりいたします。それで、デカさんがどろぼうさんのテーブルに出向いて、わざわざ酒の酌をしたりするなんてこともございます。お互いが相手の正体をうすうす感じずつ、探りを入れながら酒を酌み交わすなんて、サスペンスドラマの一場面のようなことが、実際に起こったりいたします。事実は小説よりも奇なりなんて、よく言ったものでございます。

そんな「デ」さんや「ど」さんから聞きかじったお話しですが、まぁどこまで本当かは分かりませんが、「デ」さんと「ど」さんの実際の現場では、「証拠のねつ造」なんてことが絶対にないわけではないそうでございます(この話題、スッゲェ書きにくい(笑))。「デ」さんのお仕事は、いたって「演繹法」で進められるようでございまして、「まず結論ありき」、そしてその結論を導くために証拠を固めるというのが、あの人たちなりのお仕事のやり方のようでございます。余談ですが、税務署のほうからいらっしゃった人のお仕事も、この演繹法的でございまして、「いくら徴収するか」という目標金額がございまして、それに合わせて他の数字をつじつま合わせるみたいな、まぁ、余談はやめて話を進めましょうか。

それでですね、その演繹法というやつ、最初に立てた結論が間違っていると、途中で矛盾が生じてくるわけでございます。そんなときは、本来ならばその結論を疑うべきなのでございますが、その結論を信じ過ぎるあまり、その結論に見合う証拠をねつ造してでも、つじつまを合わせるなんてこともやっちゃったりするのでございます。こんなとき「ど」さんは、「こいつら、またやりやがったな」なんて呆れながら罪を認めるのが、プロの「ど」さんの心意気だそうでございます。「ど」さんはプロの「ど」なので、強盗や傷害といった刑期が長くなることは絶対にしないという職人気質なところも、その心意気に反映しているようでございます。

さてさて、前置きが長くなりましたが、本日、菅谷さんという方が17年ぶりに釈放されました。新たなDNA鑑定で「白」と判断されたからでございます。この事件で腹立たしいのは、何度も弁護側の再審要求や再鑑定の申し出を棄却し、事実上の門前払いをしている点でございます。その他えん罪が予想される事件としては、高知で白バイがスクールバスに突っ込んだ事件とか、御殿場での集団婦女暴行疑惑事件とか。これらの事件も、弁護側の上告や再審要求が、あっさりと棄却され門前払いされております。

裁判所関係には警察の内事情をよく知っている人もいるわけでございまして、現場で何が起きているか、だいだい察しがつくものでございましょう。でも、パンドラの箱を開けてしまうと、いろいろな人が困ったり、自分の将来にも影響したりとかあるわけでございます。となると、「ごめんね、君一人が我慢して犯人になってくれれば、みんな丸く収まるんだよ」という‘事なかれ主義’のもと、えん罪は闇に葬られることになるのでございます。今回の管家さんは実に「運がいい人」なのでございますが、まだまだ「運の悪い人」が大勢いるであろうことは、予想できるのでございます。

以上、「デ」さんと、「ど」さんのお話しでした。


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