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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2009-02-09 かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし

10代の頃は、今の若さが永遠に続くものだと信じていた。けれど20代になると、時間の流れを逆に泳ごうとすることがまったく無意味なことだと、思い知らされるようになる。

その後、20代から30代になり、その度に自分の人生を振り返るときが何度もある。そしてその度ごとに、それまでの人生がほんの一瞬の出来事のように思えてくる。このまま死ぬまでに何度も人生を振り返り、その度に、それまでの何十年という過去が一瞬の出来事のように感じられ、そしてさらに、一生を全(まっと)うするときにも、同じように自分の一生をまるで一瞬の出来事のように感じるのであろう。

 人生は、楽しんだり、悲しんだり、恨んだり、悩んだりする
 けれど、これはすべて、一瞬の出来事の中のひとこま
 
 富や名声を持ち続けたいと願う
 けれど、持っていられるのは一瞬の間
 
 やってしまったことを悔やみ、何もやらなかったことも悔やむ
 何もかも、一瞬の出来事
 
 愛することの意味を考え、愛されることの喜びを知る
 その一瞬の間に
 
 出逢いがあり、結ばれ、そして別れの消失感を味わう
 でも、別れはお互いさま、すべてが一瞬どうしの交わりなのだから
 
 裸で生まれ、一瞬の時を過ごし、裸で死んでいく、これはみな同じ 
 人生というものは、本当はすごく単純なものなのかもしれない

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映画『ベンジャミン・バトン〜数奇な人生』を観てまいりました。2時間47分という超大作。でも、見終わったときにはあっという間に感じられるような、実におもしろい映画でございました。年をとればとるほど、人生というものの短さを実感するようになるものでございます。人間の人生は、川面に浮かぶ泡沫(うたかた)のようなものでございます。プクッと現れ、少し流され、パチンとはじける。人生とは、そんな一瞬の儚(はかな)い出来事でございますが、その一瞬の間に作り出された文学や音楽や絵画といったものは、永遠に残されて醜態をさらすのでございます。まぁ、何とも残酷なことでございます。


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