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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2009-02-07 国会中継が楽しい経済学

中国は老子の言葉に「大道廃れて仁義あり(だいどうすたれてじんぎあり)」という言葉がございます。世の中の基本的なルールが守られないようになると、本来説く必要のない道徳心で人を諭さなければならないという意味でございます。今風な言い方をいたしますと、「モラルハザード」なんていうのでございましょうか。

「それは人としてやっちゃいけないよ」という基本的なルールには、細かい法律が作っていなかったり、チェックが甘かったりするものでございます。そういった法律の隙間を突いて、要領よく立ち振る舞う人たちがいたりいたします。国会で「天下り」が問題になっておりますが、その天下りも、細かく規定する法律がないために、野ざらし状態になってきた問題のひとつでございます。

そもそも法律を作っているのは「国会」でございまして、その国会を陰で牛耳っているのは官僚でございます。官僚の方々が、自らが損をするような法律に対して前向きに取り組むなんてことは、あり得ないのでございます。軍隊に憲兵があるように、官僚や国会議員を取り締まるのなら、ワンランク上層の組織でなければ、難しいと思うのでございます。

一方、ワタクシ、天下りが全く悪いとも思わないのでございます。もらっている給料が常識外れに高額というのは問題でございますが、人生というもの、何かしらの「ごほうび」がなければその仕事に尽力を注ぐという気持ちが失せてしまうのでございます。今風な言い方をすると「インセンティブ」とでもいうのでございましょうか。「年をとってからいい思いが出来る」という目標があってこそ、官僚という雑多で負担の大きい仕事にも我慢が出来ようというものでございます。

となりますと、これは法律による「縛り」と官僚本人の「自覚」とのバランスが重要になってくるのでございます。法律による縛りにも限界がありますし、制定したところでまた法の隙間を突いてくるヤカラが出てくるのは必至でございます。それに、法で縛りすぎますと、今度、本当に能力のある人が第二・第三の人生を有効に活用するということが難しくなってまいります。杓子定規に規則で縛るというのは、あまり現実的ではございません。

そこで、官僚本人の「自覚」も必要なのでございます。「これくらいはもらってもバチがあたらないよな。まぁ、これ以上もらうとマズイだろうけどね」といった本人の自重心に頼るしかないのでございます。世の中が完璧に法律で規制できないとなると、頼るところは本人の道徳心なのでございます。天下り問題は、法律の制定も重要だとは思いますが、まず必要なのは、官僚・国会議員すべての人たちの「意識改革」だと思いますよ。そして、金額をある程度定めた上で、「生ぬるく天下りを許す」といったさじ加減はいかがなものでございましょうかねぇ。


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