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薫さんのひとりごと

店主、名古屋薫が、お店に関係あることや、お店に関係ないこととか、
いろいろ書いたりするかもです

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2009-01-08 演出しない演出というのは、役者に演技力が要求されます

昨年の暮れに緒形拳さんが亡くなられまして、その最後の出演となった『風のガーデン』(倉本聰脚本)というドラマがなかなかに良い感じでございました。そのドラマの後番組として『ありふれた奇跡』というドラマがスタートいたしました。「山田太一脚本」と、大々的に宣伝しております。まず「脚本ありき」というドラマの作り方、出演者には申しわけございませんが、好感が持てるのでございます。最近は、アイドル出演者の演技力不足を補うための原作レイプドラマが多いのでございます。

山田太一さんの脚本は、日常が淡々と進んでまいります。役者もあまり抑揚をつけず、静かに静かに演技をいたします。ひとつ間違うと“棒読み芝居”になりかねない、そのギリギリのところで「日常の自然さ」を演出しております。まさに、ありふれた他人の日常生活をのぞき見しているような感覚、そこに山田太一の真骨頂があるのでございます。

このような脚本主導のドラマというのは、やはりNHKのお家芸なのでございます。というか、民放の場合は、どうしても営業的な思惑や事務所との“しがらみ”など有るでしょうしね。また、そのような最近の民放のドラマ作りの体質を憂いて、倉本聰さんなどはテレビドラマの製作を敬遠したりしております。まぁ、『風のガーデン』『ありふれた奇跡』と、これらは両者ともフジテレビの周年記念制作のようでございます。そういったこともありまして、本格的なドラマを作ろうという意気込みが有るのでございましょう。

久しぶりに、山田太一さんの“しみこんでくるような臨場感”のあるドラマが見られそうでございます。もっとも、「フジテレビは倉本聰、山田太一を担ぎ上げて芸術祭参加?」といった下心を想像してしまうのは、ワタクシの見方が斜めすぎるのでしょうか?


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